「装賀きもの学院 創立40周年記念事業 きものショー きものヒストリー」


2018年5月13日 岐阜県岐阜市長良川国際会議場



「装賀きもの学院」の記念式典で演奏する機会を頂きました。
「きもの」の起源を辿る「きものヒストリー」は、和装という範疇に捉われることなく、古今東西の服装を一同に集めたグローバルな内容のショーでした。
弥生、縄文時代から始まって中国との交易、ヨーロッパからの影響、といった歴史の流れに沿って服装の変遷を追ってゆきます。
ここでの僕の役割は、その時代ごとのエッセンスを音で表現することでした。モデルさん達が歩く速さに合わせてシーン切り替えを行うため、当初はすべて生演奏でという指示でした。しかしせっかくなので完全なプロジェクトとして残したいという僕個人の意向もあり、全曲予め録音して、生演奏を重ねる形に落ち着きました。
リハーサルで何度も尺の調整を行いましたが、本番では大幅にシーンが長くなった場面もありました。

一番気を遣った部分は、十二単の着付けのシーンです。数人の着付けを同時に生で行うわけですが、必ずしも正確に時間内に全員終了するとは限りません。いくつかパートを区切って曲を作ってはあったのですが、着終わった後のウォーク部分が短く、かなり生演奏で引っ張らざるを得ませんでした。

使用した機材はいつもとほぼ同じでした。使い慣れたものでなければ、こうしたシビアな演奏では使えません。新しい楽器を買おうかとも思ったのですが、結局いつもの布陣で臨みました。


終わってみての感想ですが、シーンごとに小分けで曲を作っていったため、切り替えはとてもスムーズにできました。モデルさん達の動きに合わせてフェードアウトし、即座に次のシーンへと移り変わることができました。
こういったファッションショーでの演奏は初めてだったのですが、ステージでは常に全体を見渡すことがいかに大切かを再度確認しました。自分の演奏に浸って周りが見えなくなってしまってはショーが台無しになってしまうやもしれません。個人の事は後でいい。それより全体の成功を思うこと。いつも心に留めておきたいものです。

「装賀きもの学院 創立40周年記念事業 きものショー きものヒストリー」に参加させて頂き大変感謝しています。
院長先生、先生の皆さん、生徒さん、関係者の皆さん、観客の皆さん、スタッフの皆さん、岐阜放送のアナウンサーの方、本当にありがとうございました。

KEYUNI